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福山潤さん音声ガイド収録後インタビュー③

ムンク展の音声ガイドの収録を終えた声優・福山潤さんにインタビュー、連載の最終回です。

ふだんはやらない、力を抜いた自由な表現ができた。

福山さんは今回、美術展の音声ガイドに初挑戦ということで、アニメ作品などの声優として活躍されるお仕事と、この音声ガイドでは、違いや難しさはありましたか?
福山潤さん写真

福山さん

アニメーションにおいては、絵が動いて、キャラクターがしゃべり出すタイミングなどは、あらかじめ演出家の方の意図があって、それを僕らが汲み取って演じることになります。そのなかで独自の表現というのは、声であったり、決められた間尺のなかで作るアイディアだったりするんですね。一方、今回のムンク展の音声ガイドは全体の雰囲気もそうですし、ムンクの言葉を朗読するところの人物描写についても、僕が想像しながら演じていくことになります。そういう意味において、アニメの仕事で演じることの多い激しい役やコミカルな役とは違う、ふだんはやらないある種自分なりの、力を抜いた自由な表現をさせてもらいました。そこが楽しかったです。

福山さんなりの美術展の楽しみ方などありましたら教えてください。
またムンク展にいらっしゃる方へ、福山さんからメッセージをお願いします。
福山潤さん写真

福山さん

今回のムンク展のように一人の作家だけに焦点をあてた展覧会を見るときなど、作品の背景を知りたくなるので、僕も音声ガイドを利用することがあります。そのなかで、いったいこの作家が何を考え、どこに注目して表現しているのかを考えています。たとえばこのムンクの《叫び》は対象をかなりデフォルメして描いていますが、なぜこうした表現をしたのか、ということを自分なりに考察しながら見ていくというのも、展覧会の楽しみ方のひとつではないでしょうか。

ぜひあなたなりに、ムンクの芸術とはなにかを考えてみてください。疑問があったとしてもいいと思います。その上で自分がなにを感じるかを探ってみてほしいですし、この音声ガイドがその一助になれば幸いです。